August 31, 2019

undercurrent



美術ジャーナリストの名古屋さんが急逝された。
 随分前になるが銀座に所在するギャラリーに勤務していた時、毎週のようにギャラリーに立ち寄ってくださっていた。
やさしく声をかけてくださるけれど、名古屋さんの評論はとても鋭く、酷評されている評を幾度となく目にしていたわたしはどこかで壁のようなものを立てて話をしていたような気がする。
重い病気を患っていると耳にしてから名古屋さんのことが頭から離れず、悔やみばかりが押し寄せた。

追悼と呼べるような文章を記述できないにしても、ささやかな思い出やいただいた展評のお礼をここに残したい。
展評をあらためて読み返していくと、頭の中で、名古屋さんの声質で読みあげていることがはっきりわかりいっそう悲しくなってしまった。
亡き人は生前以上にうちへ入り込んでくるものなんだと。

10年以上昔の見過ごされる小さな記事でもわたしにとっては宝物になった。まるでエールのような展評だ。
名古屋さんには最後となってしまった先日の個展では病をふせて足を運んでくださった
いつか評をふたたびいただくことをこころの隅に置いていたけれどそれはもう叶わない。
最期の挨拶を言わずに逝ってしまうのが名古屋さんなりの挨拶なのだから、わたしもそれを片隅に置いたまま今後も作品をつくる。
これからは制作風景まで見られていると思うと恐ろしくもあり、ますます身近な人の死というものが不可思議な事象になっていく。








 










 

「小川浩子展   " undercurrent "  」 
 2008.7.7 - 7.12,  Gallery Q
 AT  Critical Words  /  名古屋 覚   
 
 
 
画廊に入った瞬間、ひんやりした空気を感じた。冷房のせいばかりではなかっただろう。後述するが、画廊の空調の半分は働いていなかったのである。やや落とした照明のためでもあるまい。展示空間は二つに分かれていた。入口に近い半分では、女の人形があおむけに天井から吊られている。画廊に立つ人のひざより少し高い辺りか。人形は暗灰色の布製で、作家の手製らしい簡素な白い服を着せられている。手首と足首を欠き、顔の表情はない。人形の足側にあるもう半分の空調ではお大型空調機のフィルターのような四角い金属の網が天井近くに水平に吊られている。これも小川の自作だという。二つの空間を統一するのは、天井全体から白い雨のように下がる無数の糸。長さはまちまちだが、多くは下に縫い針が結ばれている。針の雨。剣呑な雰囲気が体感を下げていたのか。糸は人形に絡み付き、鑑賞者の視線を乱す。網の下に位置する針の群れは、横から見ると人の立ち姿になる。その真上に吹き出し口がある空調機は「針人間」を揺らさないよう止められているのだ。
「undercurrent」「底流」 小川が好きだという、ビル・エバンスとジム・ホールの名アルバムの題名である。ジャケットには女性写真家トニ・フリッセルの作品。顔だけ水面に出して漂う白い服の女を水中から撮ったものだ。今展のイメージそのものではないか。
「水」は小川の制作の、まさに底流だ。同じ画廊での2年前の個展の題は「降りつもる水」。詳細を説明できないのが惜しい。専攻していた木彫の過去の作品は「よびみず」。今回のインスタレーションでも小川は画廊に水を呼び込んだ。その水は美術家の希望と苦悩、どちらの味がするのか。屍のような、幻のような二人は誰で、何を訴えかけようとしているのか。ふり落ちる針の切っ先は、本当はどこを向いているのか?画廊を見回しても答えはない。もっと冷えた、我々の胸底を探せということだろう。
 
 
 
2008年 アート・トップ 223号 「超絶技巧 絵画篇」  芸術新聞社


 


 

こころよりご冥福をお祈りいたします

 

                              小川 浩子
 



 




October 22, 2015

  || 展示のお知らせ ||





このたび “つくば国際アーティストインレジデンス” に参加させていただくことになりました。


詳細は下記の通りです。

ご参照くださいますようお願いいたします。







日本の研究者がニュートリノに質量があることを発見し、ノーベル物理学賞受賞のニュースを耳にした時、
“悲しみはかたい物質“と云った詩人の言葉をすぐに思い浮かべました。
この詩を読んだ時に感じた重みは錯角ではなく、しっかりと量をもって存在している、
と確信することが出来たのです。あらゆる探求はたとえ手段が違うとしても同じではないか、と。

この知らせは踏みとどまりかける制作に、小さな一歩を踏み出す力となりました。




滞在制作をさせていただく筑波山麓は日増しに紅葉が深み、関東平野やその先の東京湾、富士山も綺麗に見え始める時季。



遠方になりますが、秋の行楽の一つにお立ち寄りいただければ幸いです。







                                             記



 ||   2015 Tsukuba International Artist in Residence  ||
 


公開制作期間;2015年10月24日(土)- 11月6日(金)
 
作品展示期間;2015年11月7日(土) - 12月7日(月)


滞在制作 / 展覧会 会場つくばふれあいの里

〒300-4211
茨城県つくば市臼井2090−20
029-866-1519





|  Opening Act  |
 


 近藤等則 Toshinori Kondo  


       地球–つくば–を吹く / Blow the Earth in Tsukuba

2015年11月7日(土)
 
開場14:30  
開演15:30〜


入場無料


Toshinori Kondo  official web site
http://www.toshinorikondo.com/ 
http://www.toshinorikondo.com/nov-7-2015-blow-the-earth-in-tsukuba/


  マイケル  ペステル   Michael Pestel

      共鳴 / Resonance Live  Performance




2015年11月7日(土) 

開始11:30

入場無料


  山海塾 舞踏家 ランドフェスのディレクター:松岡大 + による

      PERFORMING ARTS 
 

    「SOUSEI ~自然と人間との共生~」




2015年11月21日(土)
 開始15:30

会場 ふれあいの里 野外ステージ
 

雨天の場合:トンガリ屋根 屋内展示場

入場無料

LAND FES  official web site
http://land-jp.com/ 


  つくばアートセンターワークショップ
      ぼくも私もアーティスト!マウントTSUKUBAをつくろう!
 


日時  10月31日(土) 11:00 〜     
          11月1日(日)    11:00 〜 

定員   各30名

場所  ふれあいの里 フィールド

参加費 500円

お問い合わせ Tel:029-886-3151
 



つくば国際アーティストインレジデンスに参加しているアーティストと一緒にやるクラフトワークショップです! 筑波山型にカットされたアクリルボードにカッティングシートでデザイン!おもいおもいの筑波山を作ってふれあいの里に展示します!会期中、展示させて頂きます。終了後、希望者には作品をお返し致します。但し野外展示に致しますので若干の汚れや破損が発生するかもしれませんのでご了承願います。
 

※カタログに参加アーティストとしてお名前を掲載いたします。
 


Tsukuba Art Center
http://www.tsukuba-art-center.com/


Tsukuba International Artist In Residence Executive Commitee